Archive for the ‘インタビュー’ Category

鈴木良孝さん

日曜日, 12月 8th, 2013

MEPLO 卒業生インタビュー Vol.6
ボッシュ株式会社勤務

現在どのような仕事をしていますか?

ボッシュ株式会社という本社がドイツにある自動車部品メーカーに勤めています。私のいる事業部ではエンジンを電子制御する装置(ECU)
の開発をしており、その中で私は適合を行う部署にいます。この適合では、エンジンがかかる、不快な振動がないという市販車では当たり前のことをさまざまなエンジンに合わせて実現させます。当たり前のことを含めた開発要件を顧客(自動車メーカー)はそれぞれの車種で定めており、私たちはこれを満たすように、開発中の車両に実際に乗り込んで試験を行い、ECUの中にある数百ものパラメータを変更しています。

現在の職業を選んだきっかけは何ですか?

元々、人々の身近にある製品の開発に携わりたいと思っており、その中で自動車は長年交通手段であるにも関わらず、ハイブリッドやアイドリングストップなどの技術革新が続いているので興味を持ちました。自動車メーカーに勤めることも考えましたが、様々な自動車メーカーと取引して得られた情報を元に、今後の自動車開発を予測し開発をリード出来ること、また、外国人が多い環境で仕事をすることで、単なる技術者としてだけでなく人間的にも成長出来ると思い、今の会社に決めました。

MEPLOで学んだことで役立っていることは何ですか?

MEPLOでは、本質を理解し、問題に取り組むことを学びました。試験時間内に問題を解くための公式や道具だけでなく、問題の背景、公式の導出を丁寧に教えていただきました。それゆえ、単に答えを求めるのではなく、問題を吟味し、効率的な解き方を考える癖がついたと思います。実際、会社で問題を解くことはありませんが、指示された業務をただこなすのではなく、必要なのかどうか考えて改善案を提案したり、トラブルが起こった際にその裏に隠れた問題を見つけ、解決したりしています。

後輩へのメッセージをお願いします。

MEPLOという環境をどんどん活用して下さい。わからないことを理解できるまで根気よく教えてくれる講師やフォロースタッフがいます。積極的に質問して、上辺の知識を活用できる知識にしてください。それ以外にもフォロースタッフは年齢の近い存在として、大学生活の疑問や悩み事などに親身になってくれます。また、目標をともにする友人やライバルが集まっています。彼らは、勉強する意欲を高めてくれる存在です。彼らと互いに刺激を与え合いぜひ目標を達成してください。

[プロフィール]

2006年3月 私立 海城高校 卒業
2006年4月 東京大学 教養学部(前期課程)理科一類 入学
2008年4月 東京大学 工学部 進学
2010年4月 東京大学 大学院 進学
2012年4月 ボッシュ株式会社へ入社

富田晃一さん

日曜日, 2月 12th, 2012

MEPLO 卒業生インタビュー Vol.5
杏林大学医学部付属病院 高度救命救急センター

現在、どのようなことをなさっていらっしゃるのですか?

高校を卒業後、医学部で6年間学び医師免許を取得しました。初期研修を聖路加国際病院で終えた後、救命医として上記施設で働いています。多発外傷・重症熱傷・ショック等の重篤な患者さんを相手に日々闘っています。研修医の頃ほど忙しくはありませんが、緊急手術や集中治療でなかなか休めない時もあります。残念ながら患者さんが亡くなってしまうことも多々ありますが、一生懸命治療に専念し、患者さんが良くなったときの喜びは何物にも代え難いです。

なぜ、またいつ医師という道を選ばれたのですか?

医師という道を選んだのは、眼科医で開業している母親の影響がありました。実家を継ぐつもりはありませんでしたが、患者さんの話を聞き・治療し・感謝されるという仕事にとてもやりがいを感じました。これならば生涯の仕事にしても後悔しないだろうという思いがありました。
専門科として救急を選んだのは、そもそも自分が医師になった理由が「目の前の人を救いたい」だったからです。患者がどんな病気であっても助けられる医師でありたい、そんな欲張りな願いを叶えられるのは救急だけだと思いました。

今後の目標をお聞かせください。

手術のできる救急医になります。来年度から外科医として2年間勉強し、外科の専門医を取得します。その後はできれば留学したいと考えています。日本は安全で平和な国で、重症患者の数は少ないのです。救急医療の体制もまだまだ整備すべき側面がたくさんあり、日本の救急医療を変えていきたいです。

MEPLOでの経験で、今の自分へ影響していることがあればお聞かせください。

中3で初めてMEPLOに入ったとき、同級生のレベルの高さに衝撃を受けました。才能と努力、その両方を兼ね備えた人達ばかりでした。今も彼らとは連絡を取っていますが、負けないよう自分も頑張らねばと日々感じます。

[プロフィール]

2002年 私立城北高等学校卒業、東京慈恵医科大学医学部へ入学
2008年 聖路加国際病院にてレジデントとして勤務
2010年 杏林大学医学部付属病院 高度救命救急センター

鈴木博達さん

土曜日, 12月 10th, 2011

鈴木博達さんMEPLO 卒業生インタビュー Vol.4
リクイディティインターナショナル代表取締役

現在、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

現在は東京大学経済学部に在籍する傍ら、昨年夏に会社を起業しFX取引に関わるシステムの請負開発や、プロモーションのコンサルティング等を行っています。具体的には、システムトレードと呼ばれる、コンピュータプログラムに価格情報を計算させた結果を使った自動売買に弊社は特化しており、そのプログラムの研究開発および作成に多くの時間を使っています。

起業という選択をしたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

いわゆる起業体験談などを読むと、安定を捨てて裸一貫で身を起こす、というようなドラマチックな話が多いですが、私の場合は、2009年夏~2010年夏まで留学していたので、多くの友人が就職活動をしていた時期に私は日本にいませんでした。そういう意味では、帰国した後に就職活動を始めることと、ある程度軌道に載りつつあったビジネスをそのまま続けることの2択から、比較的冷静に後者の方を選択することができました。その理由としては、経営者でありたいと思ったこと、経営に必要なスキルは基本的にそれを行う過程で身につくこと、年功序列のビジネス慣習に違和感を覚えたこと、などが挙げられます。ただもちろん現実的な話として、その時点で、個人で運営していたウェブ関係のビジネスによって生活していけるくらいの収益は確保できそうだったことも、理由のひとつではあります。

今後の目標をお聞かせください。

まずは私が関わっているプロジェクトが数件ありますので、それを軌道に乗せ「仕組み」として自分がいなくても運営が回る状態に持っていきたいと考えています。この部分は2012年夏を目標に完成させたいと思います。個人としてはインカムゲインを目的とした投資を増やすことが目標です。

MEPLOで学んだことで、今の自分に影響していることがあればお聞かせください。

米国に留学する前に、TOEFLを受験する必要があったのですが、MEPLOの英語の授業でエッセイライティングの授業を受講していたので、あまりその対策をする必要がありませんでした。大学でも会社でも経済・金融分野に関わっているので、その中で英語が有用で、MEPLOで慣れた長文読解のスキルが有用なことは言うまでもありません。またMEPLOの魅力は学術的な面だけでなく、そこでともに受験という目標に向かって切磋琢磨しあった仲間とは、今でも交流を続けています。

[プロフィール]

2007年 私立武蔵高等学校卒業、東京大学文科二類へ入学
2009年 東京大学経済学部進学、夏より休学し米国イリノイ大学に1年間留学
2010年 東京大学経済学部復学、リクイディティインターナショナル株式会社設立・同代表取締役就任

北村美佳さん

金曜日, 10月 28th, 2011

MEPLO 卒業生インタビュー Vol.3
NTT東日本勤務

現在、どのようなお仕事をされていますか?

法人系SE、ただし職種はSEですが、他企業で言えば営業に近いフロント業務です。

そのお仕事をしていてやりがいを感じること、また、大変なことがあれば教えてください。

やりがいは一人称でお客様や一社一社のご要望に即したネットワークやシステムを構築できること、また誰もが当たり前と思うような生活のベースとなるインフラを提供できることです。大変なことは、技術知識的にお客様の要求水準に自分が達していないことですね(2年目とは言えまだ半人前なので)。

大学で学んだことで大切なこと、現在のお仕事に生きていることがあれば教えてください。

大切なことは、視野が広く視点が高い人たちと交流し、そういう人たちの考え方がわかったことです。また学問の世界の入口を垣間見て「学者」という存在や学説に意味はあると思えたものの、自分はその道には向いてないのがわかったことでしょうか。現在の仕事に生きていることは、膨大な知識体系の中で、本質が何か、そして目前の問題解決に必要な知識が何か見極めること。また体系的思考と法律的知識。一応法学部なんで(笑)。

MEPLOで学んだことで、大学時代に生きたことがあれば教えてください。

「自分の頭で考え抜くこと」と「英語力」です。

またMEPLOで学んだことで、今のお仕事に生きたことがあれば教えてください。

(上と重なりますが)「自分の頭で考え抜くこと」「どのような分野においても、学ぶことを楽しいと思えること」そして「何が本質か見極める癖がついていること」でしょうか。

MEPLOに通っていた頃もっとこうしておけば良かったな、と思うことがあれば教えてください。

高1・2の数学をもっとマジメに勉強しておけばよかった(宿題をあまりやっていなかったので…今思えば数学の論理的思考力は大事)。それからもっともっと先生や友人と問題や課題について議論したかった。私の学年は授業中でもみんなでディスカッションをしていたので、もっと色々な問題について話し合いたかった。意見ももっと言いたかった。まぁ北村は十分にうるさかったという意見が大半でしょうが(笑)。

大学時代の専攻を決めたきっかけは何でしたか?

「人を動かす仕組み=法律や政治制度」に興味があったから。

大学に入る前はどのような仕事・職業に就きたいと考えていましたか?

正直あまり考えていませんでした(苦笑)。まあ強いて言えば官僚とか弁護士とか…かもしれません。

その考えは大学に入ってから変わりましたか?

変わりました。官僚の方々と話す機会もありましたが、私はもっと外の世界を見たいと思いました。弁護士に関しては、私よりも熱意があって向いている人たちにたくさん出会ったということもあります。

大学時代に力を入れたことがあれば教えてください。

(言うまでもなく)MEPLOのバイト。フォロー業務はとても楽しかった。教え子との信頼関係は私の宝物です。

逆に大学時代にもっとこうしておけば良かったな、と思うことがあれば教えてください。

目的のないことをもっとやっておけばよかった。目的もなくただ旅をするとか。ただ本を読むとか。

最後にいま頑張っているMEPLO生にメッセージをお願いします。

MEPLOでの勉強、楽しいですか? まあ「勉強」っていうと楽しくないこともあると思います。でも、新しいことを知る、自分の頭で考える、そしてわかったときの満足感、と「学ぶ」ことは本来楽しいはずです。社会人になってもそれは変わりません。「学ぶ」って悪くないなって少しでも思えれば、それだけでMEPLOに来た意味はあります。…ややお説教くさくてごめんなさい(笑)。とにかく毎日楽しくってことです。

[プロフィール]

2006年3月 私立 共立女子高校 卒業
2006年4月 東京大学 教養学部(前期課程)文科一類 入学
2008年4月 東京大学 法学部第二類(公法コース) 進学
2010年4月 NTT東日本へ入社

暮田留依さん

日曜日, 9月 25th, 2011

MEPLO 卒業生インタビュー Vol.2
東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻修士課程2年

卒業生インタビュー、今回は数学のフォロースタッフとして数々の生徒の指導をされた暮田留依さんにお話しを伺いました。

現在、どのような研究をされているのでしょうか?

現在、私は数理情報学専攻という名前の専攻に所属しています。扱っている学問分野は「数理工学」と呼ばれる、工学の問題を解決するための数学的手法を扱う分野です。工学の問題における方法論を研究対象としているため、個別のテーマを挙げようとすると限りがないのですが、「情報」という語が示している様に、例えば現象や問題の本質を「上手く」モデル化した上で、問題をコンピュータ上でどう計算・処理するか、という点が課題になります。私自身の現在の研究テーマは「数理計画法」と呼ばれる、数理モデルにおける「最適解」を求めるための方法論をベースに、主に構造物の最適設計法といった構造力学分野での応用について扱っています。ここでいう数理モデルとは、

  • 目的関数: 最適化(最大化 or 最小化)したい対象を数式で表現した関数
  • 制約条件: 問題の(例えば等式・不等式の形で表現された)制約

を合わせたものをいいます。数理計画法の方法論そのものは、構造力学分野に限らず、生産計画・金融・スケジューリング等、社会における多くの場面で用いられています。

現在の進路や研究テーマを選んだきっかけを教えてください。

もともと理系を志望したのは単純に数学が好きで得意だった、というのが大きいです。高校のある時期までは経済学に興味を持っていたのですが、東大なら進振りで進学先の自由度があったので、結局理転し理科一類を受験、合格しました。そして大学入学後、たまたま五月祭で計数工学科の展示を見たことで、数学をツールとして使いつつ、工学で現れる現実の問題を解決していく、というアプローチがあることを知りました。それ以来、計数工学科を進学先の候補として考える様になり3年次に進学しました。また細かな動機としては、理学部数学科(3年以降も駒場キャンパス)と異なり本郷キャンパスで数学が出来る、という点もあります。

もう一点、私は鉄道に興味があるのですが、最近テレビ番組でもやっていた「日本のJR線を一筆書きでどれだけ長く乗れるか」という、「最長片道きっぷ」の経路を求める問題を中学か高校の時に偶然知る機会がありました。実はこのテーマに取り組んでいたのは当時の数理情報学専攻の大学院生でした。この問題で使われていた手法は(知った当初はきちんと理解していなかったのですが)数理計画法における手法の一種でした。そんなきっかけもあり、大学院進学時には数理計画法を扱える研究(室)を志望しました。

今後の目標を教えてください。

今までの自分の専門を生かした形で働ければ、と考えていますが現在は模索中です。

MEPLOではどのような生徒でしたか?
またMEPLOで学んだことで今の自分に影響していることはありますか?

通っていた中学・高校の三理想の一つとして「自ら調べ自ら考える力ある人物」という項目が挙げられていたこともあり「調べること」「自分の頭を使うこと」を意識していました。MEPLOの教材はレベルが高く、予習は大変でしたが、限界まで自分の力で考えてみる、ということを可能な限り心がけていました。今の研究においても「自分の頭を使う」という姿勢が大事な様に思います(当たり前といえば当たり前のことなのですが)。輪講等での発表前、あるいは論文を読み込むときなど、継続的にやっていると体力的には大変な場面も多いですが、上手く乗り越えられたときには達成感も大きいです。

[プロフィール]

2006年3月 私立武蔵高等学校 卒業
2006年4月 東京大学 理科一類 入学
2008年4月 東京大学 工学部 計数工学科 数理情報工学コース 進学
2010年4月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 修士課程 入学

2006年5月~ MEPLOフォロースタッフとして主に数学のフォローゼミ・添削を担当

(2011/10/01 プロフィールを一部訂正)