中村裕之さん

MEPLO 卒業生インタビュー Vol.1
丸紅株式会社勤務

本日より、当サイトでは、MEPLO卒業生へのインタビューを順次掲載していきます。第1回目は4月29日の交流会でも卒業生代表としてご挨拶いただいた中村裕之さんに現在の仕事や大学時代のお話を伺いました。

現在、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

私は現在とある総合商社に勤務しています。総合商社ではいろいろな商売を扱っていますが、私は石炭部プロジェクト課という部署に所属しています。この課では世界各地にある石炭資産(いわゆる炭鉱)への投資及び投資した炭鉱の操業管理を行っています。石炭は一昔前のエネルギーだとか地球温暖化の敵というイメージが強いかもしれませんが、人類が生きて行く上で必要不可欠な鉄の原料であるため、日本はもちろんのことながら現在中国やインドを始めとした新興国で大きな需要があります。昨今の資源ブームの中で石炭は各総合商社の稼ぎ頭となっており、私の管理している炭鉱も学生時代では想像もしていなかったような利益を生み出しており、非常に責任の重い仕事だと思っています。

仕事のどのような部分にやりがいを感じますか?

やはり規模という面は一つの魅力だと思いますが、何より、自分が投資や開発・運営に関わった石炭が消費者の元に届き、それが形を変えて私の目に見えるものになるため、自分も社会の一部を担っているのだなと感じやりがいを感じます。

逆に何か辛いことなどはありますか?

先ほども述べましたが、とても額が大きいので特に操業管理における計数処理などは辛い、というかとても緊張します。ちょっとした計算ミスが数億円の違いになることがざらにあり(そういうのに慣れて来てしまっている感もありますが 笑)、落ち着いて考えるとぞっとしますね。

MEPLOで学んだことで、大学時代に役に立ったことがあれば教えてください。

学業という面ではありきたりかもしれませんが、高校時代に受験にとらわれない授業(特に高1・2)を受けたことにより、大学でも試験勉強だけでなく、自分で不思議な点を見つけたり、このロジックはなぜだと思えたりしたことは良かったと思います。

MEPLOで学んだことで、仕事で役に立っていることがあれば教えてください。

役に立っているというより、今の仕事を選んだのはMEPLOで学んだからかもしれません。MEPLOで型にはまらない自由な発想が出来る能力を得られたからこそ、「理系院生⇒推薦で研究職」という道ではなく「文系職である商社」に勤めることになったのかもしれません(もちろん理系から研究職という道も素晴らしいと思いますし、自分も検討しました。研究の道に進む方がいるからこそ社会が成り立つと思っています)。

MEPLO時代にもっとこうしておけばよかったな、と思うことがあれば教えてください。

MEPLOでは生徒として過ごした6年間、フォロースタッフとして勤務した6年間の両方があるのですが、まず生徒の時で言えば、もっと先生方と学問について話し合えば良かったなと思いますね(優等生的回答で恐縮ですが)。

社会に出てから思うのはものごとを知るというのはとても面白いということで、これはたぶん学生時代に感じられている人は少ないのではないかと思います。そういった意味で様々な(多彩な、独特な)知識・経験を持っている先生方ともっといろいろ話をしておけば良かったなと思いますね。フォローの時は、うーん、結構やりたいことやらせてもらっていましたからね(笑)。自分がこういう講座をやってみたいですと言えば、まずはやってみようということだったので色々やらせてもらいました。

MEPLOで大学の選択に影響したことがあれば教えてください。

あまり成績が伸びなかったときでも「東大をめざせ」と言ってもらったのは結構助かりましたね。教務のNさんとフォローのNさんに言われたことは今でも覚えています。

大学時代の専攻を決めたきっかけは何でしたか?

大学入学時は薬学部に、進振りのときは都市開発系か心理学系に行きたかったのですが、結局はマテリアル工学といういわば理系の何でも屋というところに行きました。ある意味大学の選択とも似ていますが、ここならばその後の研究テーマが多岐に渡っており、バイオ系、IT系、デバイス系など色々な勉強が出来そうだったのが魅力でしたね。そこで私は環境マネジメント工学という学問を学ぶことにしました。これは当時の流行であったこともありますが、大嫌いな実験がなかったのも大きいですね(笑)。

 大学に入る前はどのような仕事、職業に就きたいと考えていましたか?

前述の通り、入学時は薬学部に行って、いわゆる薬の研究をしたいなと思っていましたが、大学に入ってから始めた部活(ラクロス部)の影響で部活と学業の両方を続けるために薬学部はあきらめました。そもそも薬学部に行くだけの点数はとっていませんでしたが(笑)。

その志望は大学に入ってから変わりましたか?

東大では様々なことを学べたので様々な学部が候補に挙がりました。経済学などにも興味ありましたね。理系で入ったからには理系の学部に行かなくてはという考えはなかったです。

大学で学んだことで大切なこと、現在の仕事に生きていることがあれば教えてください

学問の話でなくて恐縮ですが、やはり部活での経験は仕事に生きていると思います。あとはやはりExcelですかね(笑)。同期の中でもExcelは相当出来る方だと思います。

大学で力を入れたことがあれば教えてください。

部活に入っていたラクロスですね。週5~6はやっていました。信じられないかもしれませんが、東大はとても強く関東ベスト4は常連、目標は日本一でやっていました。卒業してからも院の2年間はコーチをしていたので大学時代の9割くらいはラクロスと言っても過言じゃないですね(笑)。ちなみに今でもクラブチームで続けています。

 大学時代にもっとこうしておけばよかったな、と思うことがあれば教えてください。

もっといろいろ行動しておけばよかったなと思いますね。旅行したり、様々な種類のバイトをしたり、資格を取ったりなどなど。社会人になってから出来ないことはたくさんあるので殻にこもらないで出来るうちにやっておくのが良いと思います。ちなみに社会人になってから酒の席はいくらでもあるので、そこは頑張らなくてもいいと思いますね(笑)。

最後にいま頑張っているMEPLO生にメッセージをお願いします。

多くの人が言いますが、MEPLOはただの塾ではなくなにか特別なものです。家族というと言い過ぎですが、2つめの高校のようなもので、そこでのつながりは本当に将来ひとつの財産になると思います。ちなみに本当に偶然ですが、このインタビューの翌日にMEPLO時代の友人と同窓会があります。つながりを大事にしてこれからもがんばってください。

[プロフィール]

2004年 開成高校卒、東京大学理科二類へ入学
2006年 東京大学工学部マテリアル工学科バイオマテリアルコースへ進学
2008年 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻(環境マネジメント工学)へ入学
2010年 丸紅株式会社へ入社(金属部門石炭部プロジェクト課に配属)